
ことばの遅れに気づいた頃
1歳を過ぎても、「あー」「うー」といった喃語があまり聞かれませんでした。
発語よりも、私は過敏さのほうが気になっていました
つかまり立ちができない。
触られるのも嫌。
小さな音にもびくっとして、泣き止まない。
理由も分からず、ただ泣き続ける夜もありました。
思うようにいかないことばかり💦
だから正直、「この子しゃべれないかも…」と深刻に考える余裕すら、その時の私はなかったのかもしれません。
でも、わかっていたんです。
人の顔はしっかり見分けているし、人見知りの時も過剰に反応していたし――
だから、**「この子はちゃんとわかってる」**と思いました。
いつかきっと、言葉も少しずつ出てくるだろう。
そんな“予感”のようなものは、心のどこかにあったのです。
☀️ 話しかける日々
おんぶして買い物に行ったり、
自転車で風を感じながら歌ったり。
どんな時も、できるだけ話しかけていました。
返事がなくても、目を合わせてくれなくても、
「この関わりがきっと未来につながる」――そう信じて。
ある日、足をマッサージしていたら、
小さな足が私の手のひらをぽんっと押し返してきました。
たったそれだけのことが、当時の私はものすごく嬉しかったのです。
「ちゃんと応えてくれてる」って思えた瞬間。
あの感覚はいまでも忘れられません。

🌼 ST(言語療法)のはじまり
リハビリを始めて1〜2ヶ月ほど経ったころ、
それと並行して**言語療法(ST)**が始まりました。
STの先生はいつも優しく、
まだ遊びにも興味を示さないここちゃんの心を、
少しずつ、少しずつ引き出してくれました。
この頃は「ことばを教える」よりも、
“安心できる時間を一緒に作る”ことがいちばん大切な時期だったと思います。
それが、後の“土台づくり”になっていきました。

🌸 少しずつ、ことばが育っていく
歩き始めた1歳半ごろから、
「カー」「パー」「ジー」「バー」って呼ぶようになりました。
少し後にはなりましたが……
「カー」が「かーちゃん」に、「パー」が「パパ」に。
ゆっくりだけど、確かに育っていました。
☕️ 焦らず、向き合うこと
言葉の発達には、本当に大きな個人差があります。
2歳や3歳を過ぎてから急に話し始める子もいるし、
ゆっくりでも、その子なりのペースで育っていくものだと思います。
私の知人にも、発語を心配していた方がいましたが、
3歳を過ぎたころからびっくりするくらいおしゃべりになりました。
その姿を見て、「個人差って本当にあるんだな」と感じました。
ここちゃんも今では大学生。
日々の出来事や悩みごとを、ちゃんと自分の言葉で話してくれます。
小さいころは無言の時間が多かったけれど、
あれも必要な’’育ちの時間’’だったんだなと思います。
子どもが小さいうちは、どうしても比べてしまうもの。
特に初めての子だと、何が普通で何が特別かもわからない。
でも、子どもは確実に成長していきます。
焦らず寄り添って、その日その日の小さな変化を受け止めていく。
今思えば、それがいちばん大事だったのかもしれません。
💡 補足:ST(言語聴覚士)について
STとは “Speech Therapist” の略で、
ことばの発達やコミュニケーションを支援してくれる専門職です。
発語の遅れだけでなく、発音・聞き取り・飲み込みなど、
子どもの状態に合わせて関わり方を工夫してくれます。
私の場合は、STの先生との関わりがとても大きくて、
ここちゃんが安心できる“時間の作り方”を一緒に考えてもらいました。
「ことばを教える」というより、
“ことばの土台になる心のやり取り”を育ててもらった時間だったと思います。
🔗 STについて詳しく知りたい方はこちら
👉 言語聴覚士(ST)と言語訓練~内容や方法、構音訓練との違い~|PT・OT・ST人材バンク

