
娘の幼稚園を探していた頃、私は何ヶ所もの園を見学しました。
娘には、少し配慮が必要な部分がありました。
当時、専門医の先生から言われたのは、
「理解のあるところがいい」
ということでした。
今振り返っても、結局はここだったのではないかと思います。
もちろん、支援員がいることや園の規模など、確認しておきたいことはあります。
でも、それだけでは分からないものもあります。
その子が苦手なことを「できないこと」として見るのか。
それとも、
「どうすればこの子も安心して過ごせるだろう」
と考えてもらえるのか。
配慮が必要な子の幼稚園選びでは、園の設備や教育方針だけではなく、そんな部分も大切なのではないかと思います。
私は当時、娘を連れていくつもの幼稚園を見て歩きました。
その経験を今振り返りながら、もしもう一度幼稚園を探すなら、私ならどこを見るだろうと考えてみました。
支援員や加配など、どのような支援が受けられるのか
まず確認したいのは、配慮が必要な子に対して、どのような支援体制があるのかということです。
支援員や加配の先生がいるのか。
そして、もっと大切なのは、
「いるか、いないか」だけではなく、実際にどのような場面で、どこまで支援してもらえるのか
ということだと思います。
支援の仕組みや体制は、自治体や園によって違いがあります。現在も、特別な配慮を必要とする子どもへの支援や関係機関との連携には地域差があることが報告されています。だからこそ、見学や入園相談の段階で、その園で実際にできることを具体的に聞いておくことは大切だと思います。
*※特別な配慮を必要とする幼児への支援については、文部科学省の資料も参考になります。
文部科学省「特別な配慮を必要とする幼児への指導」
「配慮が必要なのですが大丈夫ですか」
だけではなく、
「こういう場面で困ることがあります。そのときは、どのような対応が可能でしょうか」
と、具体的に相談してみる。
そのときの先生の答え方から見えてくるものもあるように思います。
小規模な園が合う子もいる
私は、こじんまりとした小規模な幼稚園にも惹かれました。
人数が少なければ必ず手厚いとは限りません。
それでも、配慮が必要な子の場合、先生が一人ひとりの様子を把握しやすい環境が合うこともあると思います。
大切なのは、
「小規模だから良い」「大規模だから難しい」と決めることではなく、その園の人数と先生の配置の中で、自分の子どもをどのくらい見てもらえそうか
ということです。
見学のときには、先生の人数だけでなく、実際に先生が子どもたちをどのように見ているかも、私は大切だと思います。
一日の流れが分かりやすいか
配慮が必要な子の中には、次に何をするのか分からないことが不安につながる子もいます。
自由に過ごせる環境が合う子もいれば、ある程度一日の流れが決まっている方が、見通しを持って安心して過ごせる子もいます。
娘が入園した幼稚園は、自由保育を大切にしている園でした。
当時の私は、そこまで深く考えていたわけではありません。
でも今振り返ると、
「この園の保育方針が良いか」ではなく、「この保育の形が、この子に合っているか」
という視点も必要だったのだと思います。
園見学では、
「登園してから帰るまで、どのような流れで過ごしますか」
と聞いてみてもいいと思います。
その一日の流れを、自分の子どもが過ごしている姿を想像してみる。
それも一つの見方だと思います。
「配慮が必要な子」とひとまとめにしない
そして、私が一番大切だと思うのはここです。
同じように配慮が必要な子でも、苦手なことは一人ひとり違います。
娘の場合、大きな問題の一つがお昼寝でした。
どうしても眠ることができなかったのです。
だから私にとっては、お昼寝がないことも幼稚園選びの大切な条件でした。
別の子なら、大きな音かもしれません。
集団活動かもしれません。
食事かもしれません。
着替えかもしれません。
まず、
「うちの子は、園生活のどの場面で一番困りそうだろう」
と考えてみる。
そのうえで、その困りごとに対応できる園かを見る。
現在の支援の考え方でも、障害名だけで一律に対応するのではなく、その子自身の特性や困難さに応じた支援が重要とされています。
「発達に配慮がある園」を探すだけではなく、
「わが子の困りごとに対応できる園」を探す。
私は今なら、こちらを大切にすると思います。
苦手なことに、どこまで柔軟に対応してもらえるか
幼稚園では、たくさんの集団活動があります。
運動会。
発表会。
制作。
歌やダンス。
みんなで参加する行事。
でも、配慮が必要な子にとっては、その中にどうしても難しいものがあるかもしれません。
そんなとき、
「みんながやっているから参加しましょう」
となるのか。
少し離れた場所から見ていてもいいのか。
途中まででもいいのか。
その日は参加しないという選択もできるのか。
別の方法を一緒に考えてもらえるのか。
私は、
「できるか、できないか」だけではなく、「できないときに、その園がどう考えてくれるのか」
も大切だと思います。
文部科学省の現在の資料でも、障害があるからできないと決めつけるのではなく、その子の困難さに応じた支援を考えることが重視されています。
園の雰囲気は、実際に行ってみないと分からない
そして、これは数字では測れません。
園の雰囲気です。
園庭で遊んでいる子どもたち。
廊下ですれ違った先生。
泣いている子がいたときの声のかけ方。
集団から少し離れている子がいたときに、先生がどうしているか。
見学に行くと、説明会では分からないものが見えることがあります。
私は何ヶ所もの園へ、いつも娘を連れて行きました。
その場所の空気を感じながら、娘の様子も見ていました。
楽しそうなのか。
緊張しているのか。
その場所へ入っていこうとしているのか。
もちろん、一度の見学だけですべては分かりません。
それでも、実際にその場所へ行ったからこそ感じられるものはあります。
最後は「この子を理解しようとしてくれるか」
専門医の先生が言っていた、
「理解のあるところ」
という言葉。
当時の私は、その言葉を頼りに幼稚園を探していました。
今なら、その意味が少し分かる気がします。
何でも希望どおりにしてくれる園ということではないのだと思います。
支援員がいるだけでもない。
設備が整っているだけでもない。
この子はなぜ困っているのだろう。
どうしたら一緒に過ごせるだろう。
そうやって、その子自身を見ようとしてくれること。
そして親が困りごとを話したとき、
「できません」
だけで終わるのではなく、
「では、どうしましょうか」
と一緒に考えてもらえること。
私は今振り返ると、それが「理解のある園」ということだったのかもしれないと思います。
幼稚園選びに、すべての子どもに共通する正解はないと思います。
大規模な園が合う子もいます。
自由保育が合う子もいます。
一日の流れが決まっている方が安心できる子もいます。
大切なのは、
「良い幼稚園を探すこと」より、「この子が安心して過ごせる幼稚園を探すこと」。
私は何ヶ所もの園を見学しながら、それを探していたのだと思います。
そして、あの頃の私のように今幼稚園を探している方がいたら、
園のパンフレットを見るだけではなく、
「この子がここで一日を過ごすとしたら」
と想像しながら見てほしいと思います。
その視点が、園を選ぶときの小さな手がかりになるかもしれません。
あの頃の幼稚園探しと、その後のこと
この記事では、今振り返って思う「配慮が必要な子の幼稚園選び」についてまとめました。
当時の私は、一般の幼稚園だけではなく、施設という選択肢も考えながら、娘が安心して過ごせる場所を探していました。
その頃の幼稚園探しについては、こちらから綴っています。
そして、実際に娘が最初の幼稚園へ入園してからの日々は、こちらの記事から始まります。
👉 幼稚園でひとり遊びをしていた頃の娘|🍃ずれていったもの①
幼稚園を探していた頃には、まだ分からなかったこともたくさんありました。
実際に園生活が始まり、娘の姿を見ながら、私自身も少しずつ気づいていったことがあります。
その頃のことも、一つずつ記録しています。
