
ここちゃんが、
1つ目の幼稚園に通っていた頃のことです。
アンパンマンが大好きでした。
当時は今ほどぬいぐるみの種類も多くなくて、
私は、
「頑張って通えているご褒美に」と思って、
フェルトでぬいぐるみを作るようになりました。
1週間頑張ったら、1つ。
ご褒美シールのような感覚で、
少しずつ増やしていこうと思っていました。
ここちゃんにとっては、
新しい一歩である「幼稚園に行くこと」。
そして、
それを支えようとする私なりの形が、
このぬいぐるみでした。
何を作るかは内緒。
開けるまでわからない、
その頃ここちゃんがハマっていた
ガチャガチャのような楽しみ方でした。
私はキャラクターを決めて、
下絵を描いて、
パーツを切って、縫って。
思い返すと、いろいろ作りました。
青きんちゃん、かまめしどん、
てんどんまん、かつどんマン、
カレーパンマン、おにぎりまん……
作れるものを探したり、
うまく応えられなかったり、
夜な夜な作りながら、
「この先どうしよう」と思ったこともありました。
ガチャガチャなので思うようにいかなくて、
ぷんぷん怒ることもありましたが、
それでも、
私にできることといえば、
あの頃はそれくらいでした。
これは、
当時の私なりに、
ここちゃんのためにやっていたひとつの形です。
でも、
本当に大切なことは、
そこではなかったのだと思います。
あの時に必要だったのは、
ぬいぐるみではなかった。
それに気づいたのは、
少し時間が経ってからでした。
まるで、
ゆっくり進んでいくカウントダウンのように。
