🎆 花火での出来事|私の中から花火が消えた夜

夏になると、

遠くから「ドーン、ドーン」と花火の音が聞こえてきます。

その音を聞くたびに、

思い出す出来事があります。

今日は、

今でも少し胸が痛む、

私の失敗のお話です。


🎇 母との思い出を、ここちゃんにも

ここちゃんが、

まだ3歳になる前のことです。

私は子どもの頃、

河原の近くに住んでいて、

毎年夏になると、

母や弟たちと花火大会へ行くのが楽しみでした。

夜空いっぱいに広がる花火。

お腹に響く大きな音。

母と一緒に見上げた景色は、

今でも大切な思い出です。

大人になって引っ越してからは、

その花火を見ることはなくなりました。

それでも、

夏になると聞こえてくる花火の音に、

「懐かしいね。」

そんなふうに母と話すことがありました。

だから私は、

ここちゃんにも、あの景色を見せてあげたい。

ただ、その一心でした。


💥 一発目の花火

家族三人で花火大会へ向かいました。

久しぶりの会場。

私にとっては、

懐かしい思い出がたくさん詰まった場所でした。

そして、

一発目の花火が上がりました。

ドーン。

その瞬間でした。

娘は、

花火の大きな音に、

大パニックになってしまいました。

私はその姿を見た瞬間、

「しまった。」

そう思いました。

これは、

「少し様子を見よう。」

そんなレベルではありませんでした。

この場所にはいられない。

そう感じるほどの激しい反応でした。

主人はすぐに娘を抱きかかえ、

私たちは慌ててその場を離れました。

でも、本当に大変だったのは、そこからでした。

花火を見ようと、

たくさんの人が次々と会場へ向かっています。

本当は、

一刻も早くその場を離れたかったのに、

人の流れに逆らいながら、

少しずつしか進めない。

車までの道のりが、

とても長く感じました。

私は、

「早くここから離れないと。」

そのことばかり考えながら、

主人の後を必死で追いかけました。

あの夜の焦りも、

娘の泣き声も、

今でも忘れることができません。


😢 私の大失敗

帰ってから、

何度も同じことを考えました。

「どうして気づいてあげられなかったんだろう。」

聴覚が敏感な娘にとって、

花火の音がつらいことは、

少し考えれば分かったはずでした。

それなのに私は、

自分の大好きだった思い出を、

ここちゃんにも見せてあげたい。

その気持ちばかりが先に立っていました。

私は、

娘ではなく、

自分の気持ちを優先してしまった。

そんな後悔だけが残りました。


🌙 あの日から

それ以来、

我が家では花火大会へ行くことはなくなりました。

そして、

不思議なことに、

私自身も、花火を見に行きたいと思わなくなりました。

子どもの頃は、

夏になると花火の音が聞こえるだけで、

心がそわそわしていました。

「今年も始まった。」

そんな気持ちになっていたのです。

でも、

あの日を境に、

その感覚は、

静かに消えてしまいました。

今でも夏になると、

遠くから花火の音は聞こえてきます。

でも私は、

「あ、花火だ。」

そう思うだけ。

昔のように、

体が「行きたい」と動くことはありません。


🌿 今思うこと

子育てをしていると、

「良かれと思って。」

そんな気持ちが、

思いがけず子どもを苦しめてしまうことがあります。

あの日の出来事は、

私にとって忘れることのできない失敗です。

私が見せたかった景色と、

娘が感じていた世界は、

まったく違っていました。

そのことを、

あの日の花火が教えてくれました。

今でも夏になると、

遠くから花火の音が聞こえてきます。

そのたびに、

あの夜のことを思い出します。

    PAGE TOP